張祖翼 ちょう・そよく

伏戯倉精初造王業畫
卦結縄以理海内 武梁祠
伏戯(伏犧)倉精(倉頡) 初めて王業を造り、画卦結縄を以て海内を理す。
   五帝伝説   武梁祠
30p×127.5p

道光29年(1849)生〜民国6年(1917)歿
製作年  1910年(62歳)
 字を逖先といい、磊盦と号した。安徽省桐城の人。江蘇の知府を勤め、また、日本に遊学している。金石考証学に精しく、王瓘と共に「桐城派」と称せられる。書は各体を善くし、特に篆隷を好んだ。隷は漢碑の法に則し、篆は石鼓文・鐘鼎文を師とし、篆刻はケ石如を宗としたと言われる。また、書筆で写した蘭竹の画は、気韻高古をもって称せられた。
 清の葉昌熾は、その著『語石』に彼の考察の深さについて述べており、馬宗の『霎雲樓筆談』にも、「その楷書は唐代を宗とし、隷書は漢代を宗とした」とあり、隷書を最も得意とし、行・楷がこれに次ぎ、さらに篆書がこれに次ぐ。上海にて江洵・呉昌碩・高邕と共に四大家と称せられる。
 著書に『磊盦金石跋尾』がある。


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