後漢 -2

25年〜220年

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「熹平石経」残石
高さ45p

 石経とは石に刻した経典のことで、儒家・道家・仏家の3種類があります。しかし、単に石経というときは、専ら儒家の経典をいいます。
 儒家の経典の刻石では「熹平石経」が最も古く、次が魏の「正始石経」、唐の「開成石経(西安碑林)」と続き、その大部分が官刻です。
 「熹平石経」は、当時経典の文句が乱れていたことから、定本を作る目的で刻されました。これを太学の門前に立てて、一般の人が閲覧できるようにしました。
 その後、戦乱などで碑が残壊し、所在もわからなくなりましたが、近年、その一部が出土しました。



扶風紙 
1978年陜西省扶風県出土

撃鼓説唱陶俑 
四川省成都市出土
高さ56p

藍琉璃碗 
1954年広東省広州市横枝崗出土
高さ4.7p 口径10.5p
 いままでに中国で出土した最も古いローマのガラス容器です。



刑徒塼

T字形帛画
湖南省長沙馬王堆1号漢墓出土

 龍の船に乗って昇天する死者の魂。船台には杖をついて立つ墓主人と5人の従者が乗っています。

 大地を支える力士と蛇。力士を亀の化身とする説もあります。地上では宴を開き、死者の昇天を助けています。
 刑徒とは、今の懲役囚です。各地から洛陽に集められて労役に服した刑徒の多くが、その刑を終えないうちに力つきて亡くなりました。発掘調査によると、そのほとんどが壮青年の男性でした。
 刑徒塼は、薬研彫りで刻まれています。刻線の断面がV字形になっています。書体は隷書ですが、その中でも特殊なものです。
 当時の上流社会に浸透していた死生観を表す絵画が絹の幟に描かれています。これによって漢人たちの精神世界が垣間見られます。

☆は『中国通史陳列』より転載

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