吉嗣 拝山 よしつぐ はいざん
|
巨巌 雲を截って立つ 其の勢い高く 衝天を衝く 石梁(=石でつくった橋) 斜めに而も架ける 竜蛇の影 蝘蜒(=やもり)たり 鬼は数千仞(=非常に深く)に削り 自から聳える鴻濛(=もやもやした大気)の前 我 天翼に垂れる無し 何ぞ得ん 層巓(=いただき)に登り 時有り 断雲過ぎる 巌に觸(さわ)れば 闇 冷然(=冷ややかで清らか)たり 繚繞(=川などがくねくねと湾曲したさま) 長きこと於(ああ)帯のごとし 疑い有り 空の仙に下るを 丙戌(=明治19年)の冬 耶馬谿に入る 仙人巌に登り此篇を得る 茲ち山祗 初春録 以中町先生兼希正 |
||
157.5p×44.9p |
弘化3年(1846)6月生〜大正4年(1915)1月11日歿 製作年 明治20年(1887) 42歳 |
筑前太宰府生まれ。本名は達太郎、別名を士辞・蘇道人・古香・獨臂翁・獨掌居士・左手拝山とも称した。「獨臂」とは片腕という意。明治4年東京の地震で右手切断。左手拝山として知られる。国内で、信州の児玉果亭、名古屋の山本梅荘と共に地方南画家の三大家と称される。 「古香庵主拝山左手」の左に、朱文の「拝山左手」、白文の「拝山詩書畫印」の落款印が押されている。 推奨サイト http://www.city.chikushino.fukuoka.jp/furusato/sanpo49.htm http://www.lib.yamagata-u.ac.jp/kiyou/kiyouh/kiyouh-15-1/kiyouh-15-1-019to042.html http://homepage.mac.com/keke25/iblog/C1445422665/E1589483499/index.html http://www.fusuian.jp/179haizan-syoutikubaisouhuku.htm |