清水魚心 しみず・ぎょしん
   

松濤忽巻三更雨。林籟俄驚六月秋。
松濤 忽(たちま)ち巻く 三更の雨。林籟 俄(にわか)に驚く 六月の秋。
34p×135p


書海社展役員控室にて松篁(左)と魚心先生(右)
明治44年(1911)生〜平成12年(2000)2月27日歿
 本名は清也、字は澄卿。東京隅田河畔に生まれる。温和で几帳面な性格で、また手先が器用な方で、兄の光一氏とデザインの仕事に従事した。書海社の社章をはじめ、霞ケ関の憲政記念館の尾崎咢堂先生の胸像にはめ込む文字盤の英文揮毫、京都の露出観音に安置される大東亜戦争戦没將士の碑の武者小路實篤の撰文英訳など、外務省嘱託として英文レタリングの名手として令名を馳せた。
 昭和7年群鵞会に入会し、書海誌の会員になる。仮名を栄田有宏先生に、漢字を松岡武邨先生に師事する。昭和18年応召、20年復員、24年書海社の再刊を待って出書、松本芳翠先生東京復帰と同時に入門した。以来、逝去される直前まで書海社のために尽力した。(財)書海社理事・審査員、硯心書道会会長。


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