伊藤 蘭嵎 いとう らんぐう
   

勝日柴荊訪呂生
辛夷花謝過清明
?聲暫歇應門説
昨暮家翁偶入城
戌午夏日
勝日 柴荊(=あばらや)訪れ 呂生ず
辛夷(=こぶし)花 謝して 清明を過ぎる
?声暫らく歇(やす)んで 門に応じて説く
昨暮(=昨日の夕刻)家翁(=父) 偶(=たまたま)入城す
戌午(=元文3年)夏日
  勝日=五行説でいう 木尅土・土尅水・水尅火・火尅金・金尅木の五日をいう。「勝」は「尅」。
       この日に車に駕れば悪鬼を避けるという。
  清明=二十四気の一つ。陽暦の四月五日ごろ。春分と穀雨の間。
24.8p×35.5p

元禄7年(1694)生〜安永7年(1778)歿
制作年 元文3年(1738) 45歳
 伊藤仁斎の第5子。名は長堅、字は才蔵、号を蘭嵎・啓齋・應躔などと称した。幼くして父仁斎を亡くし、兄東涯に養われる。紀伊藩儒として仕官、東涯の没後に致仕して古義堂を継ぐ。
 「長堅」の下に、白文の「長堅之印」、朱文の「字余曰才蔵」の落款印が押されている。

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