大田 錦城 おおた きんじょう
   

半窓樓影月光殘。
一椀清茶不敵寒。
松火爐邊黙相對。
始知人世有波瀾。
寒來訪僧
半窓の楼影 月光残す。
一椀の清茶 寒に敵さず。
松火(たいまつ) 炉辺(いろりばた) 黙して相対す。
始めて知る 人世(世間) 波瀾有るを。
  寒来りて僧を訪ねる。
134.0p×28.6p

明和2年(1765)生〜文政8年4月23日(新暦1825年6月9日)歿
 江戸時代後期の儒者。名は元貞、字は公幹、錦城はその号。加賀大聖寺の人。父は医者。初め家学を受け20歳のころ、京都の皆川淇園、ついで江戸の山本北山に学んだが、いずれも意に満たず、まもなく去った。門弟に教えつつ刻苦独学、ついに大儒となる。晩年、吉田侯の賓師、ついで加賀侯に仕え、江戸で没した。その学は経史子集にわたるが自らは〈専経の士〉をもって任じ、漢・唐・宋・元・明・清および本邦諸儒の説を批判折衷し、疑わしきは深く考証して一家の見を立てた。名利を忘れてはげんだ学究的節操は、業績とともに尊い。著書数十種に上るが《九経談》はその学識を示すもので、清国にも渡り、《梧窓漫筆》は学問の態度、人生観、処世法などについて有益な記述に富んでいる。(斯波 六郎)『世界大百科事典・平凡社 より』
 「錦城」の下に、白文の「元貞」、朱文の「錦城」の落款印が押されている。

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