赤井 得水 あかい とくすい
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我れ養生の四印を提げ 君が家に有る所 更に君に贈らん 百戦 百勝も 一忍に如かず 萬言 萬當も 一默に如かず 簡擇すべき無くんば 眼界 平 秋毫を藏さざれば 心地 直し |
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私は人生の訓として心にしっかり刻みつけるべき四つのものをあげて、 君の家にもあるところであるが、さらに君に贈ろう。 それは百戦百勝も 一つの忍に及ばない 万度も言ったことが皆道理に合って相手を負かしたとしても、 一つの黙を守るに及ばない 物事をえらびとる心がなければその人の見識は平かになる 少しのものも隠さなければ、心は直くなるであろう 黄山谷 贈送張叔和(張叔和に贈送す) |
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50.6p×31.8p |
元禄3年(1690)生〜延享3年3月18日(新暦 1746年5月8日) 歿 |
加賀(石川県)の人。名は明啓、字は子中、通称は文次郎、号を得水と称した。 京都で志頭磨流を清水消水に学ぶ。清水消水は、志頭磨流の書を創始した佐々木志頭磨の門下で、佐々木志頭磨は、賀茂神社の祠官で空海や三跡の書法を慕い、加茂流或いは甲斐流と言われる書を創り、後水尾天皇から書博士の称を賜った藤本敦直の門人。 江戸に居して活躍し、『筆法蒙引』や『時用文案』等の書籍を公刊した。『真字千字文』『草字千字文』『漢朝文異体』などの書が残されている。 「得水書」の左に、白文丸印の「明啓」、朱文の「得水」の落款印が押されている。 参考文献 『三州遺事』『加能郷土辞彙』『金沢市教育史稿』『石川県史 第3編』『大日本人名辞書』 推奨サイト http://kotobank.jp/word/%E8%B5%A4%E4%BA%95%E5%BE%97%E6%B0%B4 http://www.ic.daito.ac.jp/~oukodou/gallery/pic-909.html http://www.ic.daito.ac.jp/~oukodou/gallery/pic-2262.html |