關 其寧 せき きねい
   

君子行  無名氏
君子防未然。
不處嫌疑間。
瓜田不納履。
李下不正冠。
嫂叔不親授。
長幼不比肩。
勞謙得其柄。
和光甚獨難。
周公下白屋。
吐哺不及餐。
一沐三握髪。
後世稱聖賢。
古楽府『君子行』 (『文選』より)
君子たるもの、人から疑われるような事は未然に防ぎ、
嫌疑を受けるようなところには、身を置かないものだ。
(うり)の畑では、しゃがみこんで
靴を穿くような仕草(しぐさ)をすべきではないし、
(すもも)の木の下で、冠をなおしたりはしないものだ。
密通を疑われないよう、兄嫁とは親密に接するべきではないし、
年少者は年長者と対等な口をきいてはいけない。
功績があってもへりくだれば権力を得る事ができる。
自分の才能をひけらかさずに、世間と協調するというのは難しいものだ。
周の武王の弟・周公は、(偉大な政治家であったが)かやぶきの家に住み、
食事中でも入浴中でも、来客があればすぐに出迎えた。
そうした態度であったからこそ、後世、聖賢と称されたのだ。
23.5p×98p

享保18年(1733)生〜寛政12年(1800)歿
 江戸後期の書家。姓は落合、字は子永、通称は源蔵、南楼と号する。父の関思恭(鳳岡)に学ぶ。
 「關其寧」の下に、白文の「其寧之印」、朱文の「子永」の落款印が押されている。

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