前田 黙鳳 まえだ もくほう
   

削成青玉片
裁斷碧雲根
削成(=刀で削ったように険しく高くそびえ立つ)青玉の片
裁断す碧雲の根
33.5p×135.8p

嘉永6年(1853)生〜大正7(1918)年11月19日歿
 名は圓、字は士方、黙鳳はその号で、龍野人とも署した。播州龍野(兵庫県)の藩士で、前田忠作の次男として生れた。十六歳で藩の佐華助役となった。維新後上京し、博文社に勤めた。のち独立して、京橋南鍋町に鳳文館書店を開き、『資治通鑑』『佩文韻府』などの翻刻に従事した。
 しかし時世にともなって漢学は衰頽していったので、経営も困難となり、ついに明治二十一年(1888)廃業した。その後は専ら書の研究に没頭し、中国にたびたび遊んだ。明治四十一年(1908)には土方秦山、杉渓大橋、野村素軒らと謀り健筆会を起し書画界に聞えるに至った。
 著書には『書鑑』『書海』『真行草大辞典』『五体辞書』『印文学』など多種に及び、書道界に貢献するものが多い。また蘭竹など画も巧みであった。
 「黙鳳道人墨戯」の下に、白文の「田圓之印」、朱文の「黙鳳」の落款印が押されている。

推奨サイト
http://www.shibunkaku.co.jp/biography/search_biography_aiu.php?key=ma&s=20
http://seishindo.jimbou.net/catalog/product_info.php/products_id/1284
http://www.geocities.jp/totoan_n/kindaisyoka/kn17.htm


参考文献一覧      HOME