前田 黙鳳 まえだ もくほう
   

用天之道 分地之利
謹身節用 以養父母
(此庶人之孝也)
天の道を用(もち)い、地の利を分(わか)ち、身を謹み用を節し、以て父母を養う。(これ庶人の孝なり。) 
物事の道理をわきまえ、身を慎んで倹約に励めば、父母を養うことはできる。(そうすることが庶人の孝だ。)
 『孝経』の一節
36.5p×24p

嘉永6年(1853)生〜大正7(1918)年11月19日歿
 名は圓、字は士方、黙鳳はその号で、龍野人とも署した。播州龍野(兵庫県)の藩士で、前田忠作の次男として生れた。十六歳で藩の佐華助役となった。維新後上京し、博文社に勤めた。のち独立して、京橋南鍋町に鳳文館書店を開き、『資治通鑑』『佩文韻府』などの翻刻に従事した。
 しかし時世にともなって漢学は衰頽していったので、経営も困難となり、ついに明治二十一年(1888)廃業した。その後は専ら書の研究に没頭し、中国にたびたび遊んだ。明治四十一年(1908)には土方秦山、杉渓大橋、野村素軒らと謀り健筆会を起し書画界に聞えるに至った。
 著書には『書鑑』『書海』『真行草大辞典』『五体辞書』『印文学』など多種に及び、書道界に貢献するものが多い。また蘭竹など画も巧みであった。
 「古文孝経 黙鳳道人」の下に、朱文の「圓」、同じく朱文の「黙鳳」の落款印が押されている。

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