荻生 徂徠 おぎゅう そらい
   

義公習禪寂
結宇依空林
戸外一峯秀
階前衆壑深
夕陽連雨足
空翠落庭陰
看取蓮花淨
方知不染心
義公 禅寂に習い
宇を結んで空林に依る
戸外 一峯秀いで
階前 衆壑深し
夕陽 雨足に連なり
空翠 庭陰に落つ
蓮花の浄きを看取して
方に不染の心を知る
義公は平素から坐禅を習慣とされ、
この人影もない林中に庵室を結んでいられる。
誠に景色の良い所で、戸を開けば正面に一峯高くそびえ、
階段の前には、多くの谷々が深く迫っている。
折から夕日の光は、通り過ぎる雨脚に差し込み、
滴るばかりの木々の翠は庭かげに陰を落とす。(この俗塵を洗い落とした境地に来て、)
池に咲く蓮の花のひときわ美しいのを看れば、
今更のように汚れに染まらぬ花の色、あるじの心が分かる。
134p×51p      「題義公禪房」(義公の禅房に題す) 孟 浩然


    絵葉書(松篁蔵)
寛文6年2月16日(新暦1666年3月21日)生〜享保13年1月19日(新暦1728年2月28日)歿
制作年  享保8年(1723) 58歳
 江戸時代中期の儒学者・思想家・文献学者。名は双松、字は茂卿、通称は惣右衛門。はじめ朱子学を学ぶ。伊藤仁斎の古義学を攻撃し、古文辞学の立場を確立。柳沢吉保に仕え、政治顧問的役割を果たし、赤穂浪士の処分を上申した。
 「東都茂卿」の下に白文の「徂徠」、朱文回文の「物茂卿印」の落款印が押されている。

推奨サイト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%BB%E7%94%9F%E5%BE%82%E5%BE%A0
http://www2s.biglobe.ne.jp/~MARUYAMA/tokugawa/sorai.htm
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%AE%C0%B8%D7%C9%D7%D2
http://chouseinosato.hp.infoseek.co.jp/tektek_gogo/mobara/c_data/sekizou_03.htm
http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/ogyu.html
藤沢南岳 識箱     


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