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古今和歌集は、延喜5年(905)に醍醐天皇の勅命によって、紀伴則・紀貫之・凡河内躬恒・壬生忠峯の4人の撰者が、万葉集に未掲載の古歌や当時の新歌など1500首を集めて編集した歌集で、勅撰集の第1号である。
成立には諸説多いが、延喜13年(913)〜同14年(914)ごろに完成奏上されたものとみられる。異本も多いが、本書は2冊からなり、春夏秋冬・賀・離別・覊旅・物名・恋・哀傷・雑・雑体に分類され、収められている。
『古今和歌集』は、多くの伝本を有するが、該本は、建仁元年(1201)3月源家長筆写の、いわゆる清輔本系統の一本で、その奥書によれば、永治2年(1142)藤原清輔筆写の本がもとになっている。また見返しの識語などによって、これが通宗本、小野宮皇太后御本の系統に属することが知られ、清輔本が貫之自筆本の直系ににあたるという点で価値が高い。
清輔は、歌人であり、また六条流歌学の祖。その考証的な学究肌で『袋草子』などの歌学書を多く著す。伝清輔筆前田家本『古今集』とともに、定家本以前の伝本の内容を伝える点でも意義深い。真名序は奥書の後にあるが、清輔自身の書き添え故のこと。該本も前田家旧蔵。
表紙には、雲形に金銀砂子を散らした綴葉装仕立てで、雲母引きの紙に平仮名まじりの和歌が書かれ、平安時代の優美さ、繊細さに溢れた歌集である。
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