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楷書の古碑帖

 漢代に手数のかかる八分体を早書にしたため筆画が簡略されて、漸次楷書の一体をなしたものと考えられている。
 漢代の木簡に楷書と見られるものをちらほら見る。金石に刻して千歳に残すべき碑などは当時の正体たる八分体で書くが、日常の用務を弁ずる為には楷書の書体が行われていた。
 

墓誌銘

司馬景和妻墓誌 延昌3年(514) 『司馬景和妻墓誌・高湛墓誌』上海辭書出版社

 ほとんど刻された当時と変わらぬ姿で発掘された為、書と刻ともに良いものなので初学の手本として好適。

李超墓誌 正光6年(525) 『書跡名品叢刊 10』二玄社

 異体字が多く読みにくい。

張玄墓誌(張黒女墓誌) 普泰元年(531) 『書跡名品叢刊 10』二玄社

 鍾繇の書を思わせる。

蘇孝慈墓誌 仁寿3年(603) 『書跡名品叢刊 11』二玄社

 欧陽詢・虞世南の先声をなす。


六朝楷書

張猛龍碑 正光3年(522) 『書跡名品叢刊 9』二玄社

 六朝書中最も整った楷書として有名。初学の絶好伴侶。  先生のいう六朝とは六朝楷書のことで、中国南北朝時代、北朝で発達した楷書体の総称。

高貞碑 正光4年(523) 『書跡名品叢刊 9』二玄社

 六朝書中最も整った楷書として有名。初学の絶好伴侶。


歐陽詢

皇甫府君碑  『書跡名品叢刊 12』二玄社

 用筆練勁(力強く)、結構亦端荘(きちんと整い堂々として)俊厳(険しく厳しい)にして犯すべからざる品位があって、古来楷書の極則といわれている。字画完好で初学に好適。

九成宮醴泉銘  貞観6年(632) 『書跡名品叢刊 12』二玄社

化度寺碑 貞観5年(631) 『書跡名品叢刊 12』二玄社

虞恭公碑(温彦博碑) 貞観11年(637) 『書跡名品叢刊 12』二玄社


 蘭亭帖・蘇玉華墓誌銘などが流布されているが、自分は採らない。おそらく後人の偽作だろう。


褚遂良

孟法師碑  貞観16年(642)  『書跡名品叢刊 13』二玄社

 まずは孟法師碑から入るのが順序。

伊闕佛龕碑  貞観15年(641)  『書跡名品叢刊 13』二玄社

雁塔聖教序  永徽4年(653)  『書跡名品叢刊 13』二玄社

 最も円熟した代表的傑作で、且つ字画も完了だが変化に富んでいる為、初歩の内は一寸習いにくい。

房玄齢碑  永徽3年(652)?  『書跡名品叢刊 13』二玄社


顔真卿

建中帖  建中元年(780)  『書道博物館図録』二玄社

 顔書の面白味があり、それだけ難しいが、真蹟が日本にあり、写真等で研究すれば筆意も知ることが出来る。

多宝塔碑  天宝11年(752)  『書跡名品叢刊 17』二玄社

 字画が完了で、よく整っており、初学は学び易い。

麻姑仙壇記  大暦6年(771)  『書跡名品叢刊 17』二玄社

宋m碑  大暦8年(773)  https://www.sohu.com/a/439691062_258370


虞世南

孔子廟堂碑  貞観5年(631)  『書跡名品叢刊 13』二玄社

 虞世南の書として唯一のものだが、原石が早く亡び、原拓が見られない。極めて品格の高い書で、それだけ初学には一寸とりつきにくいところがある。