金田 心象 かねだ・しんしょう   

進歩

明治41年(1908)生〜平成2年2月16日
 北海道に生れ、鈴木翠軒に学ぶ。昭和3年から18年まで小・中・高女・師範などの教員生活を送ったが以後42年まで文部事務官として国定教科書の揮毫に従事、これは後の作家生活にも大きな意味をもっている。小字を基本にしたこの人の精級な古典研究-古典を拡大して学ぼうとせず、原寸大に近く再現してみることによって、それが書かれた時の筆の秘密を探る-はよく知られているが、これも多年に亘る教科書揮毫の苦労と無縁ではないだろう。
 最近の作品には大字により熱情を紙面に叩きつけるような奔放なものが多いが、この土台になっているのが上記の古典研究であることはまちがいのないところだろう。
 楷行書を主として素材に使うが、特に行書ではダイナミズムをいかんなく発揮する。第8回日展の「高低普応」で文部大臣賞を、改組第2回日展の「玄覧」で日本芸術院賞を受賞した。
 心画院会長。毎日展会員、審査員。日展評議員、審査員。

推奨サイト
http://www.town.horonobe.hokkaido.jp/web2/PD_Cont.nsf/0/6D6E2E9FCD0206064925703C002B2001?OpenDocument


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