ろう・きょ	光緒６年(1880)生〜歿年不明 製作年　　１９４５年(66歳)
	初名は邨、辛壷・玄根居士と号した。浙江省の人。画・書法・篆刻に長ずる。幼くして金石篆刻書画を好み、襟懐曠逸たりと賞される。長く杭州に住んで西湖を愛した。晩年、上海に寄居し、山水・梅竹を善くした。宋・元の諸家の奥義を極めたといわれ、名勝を漫遊して奇石古木を遇酢と、それを模写して秀逸であった。 　書は楷草隷篆を得意として風致俊美であった。篆刻は秦の朱文・漢の白文を学んで刀法は古秀であった。吟詠を好み画を描くごとに詩を添えている。

　　　

1962年　於北京		とう・さんぼく	光緒２４年(1898)生〜１９６４年歿 製作年　　１９４５年(48歳)
		名は鐵、字は鈍鐵といい、江蘇省の人。上海の保険会社に勤務し、小学校教員と結婚した。極めて風趣のある人で、売手刻印を始めるに当たって糞翁と改名した。 　篆刻は秦の封泥・漢の陶文をはじめ宋・元以来の諸名家の印に及ぶまで研究した。呉昌石の弟子の趙石(古泥)に師事した。腕融心神、自己の面目を打ちたて、�ｹ石如や呉昌石の鉄筆を退け意を用いなかった。 　書は蕭退闇に師事して、篆隷草行を工にし、天分は独高にして極めて醇雅であった。酒を飲むことと来客を好むことが彼の性分で、趙時棡の甥・王履剛・白蕉・唐雲などと親交があった。 　糞翁のほかに、無恙・厠簡子・散木・且渠などと名乗った。1955年、北京人民教育社の招きによって９月下旬に上海を離れ、北京の復興門邱祖胡同１２号に移り住んだ。63歳(1960)の時、左足を切断、それより一足と号した。 　弟子に呉平・江兆申・范甲らがいる。 　著に『書法学習必読(続書譜)』1957年6月序、『草書写法』1962年12月序、『糞翁印稿甲集』４冊、『高士傳印譜』４冊、『三長両短斎印存』正集３巻・外集１巻、『一足印稿』１冊などがある。

江兆申氏と呉平氏

范甲氏

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