青銅爵

商代前期(二里岡期)
(紀元前17〜紀元前15世紀)
H2105p×W15.0p×D9.5p

 爵は中国殷・周の銅器において、斝・角・觶・觚とともに五爵と称され、儀式などに使う青銅製の容器の一つで、酒を温めて注ぐもの。とがった三本の足と鋬(把手)があり、流(注口)とバランスをとるためかその反対側(尾)が少し長く作られている。流の付け根につくキノコ形の柱は何の機能があったのか、よく分かっていない。があり面柱があり、流に対してとがった尾があり、そうして器には卵形の底がある。
 爵で温めた酒は、流と呼ばれる左側の細長い注ぎ口から注いだ。青銅礼器としての爵は、陶製の器に由来し、青銅彝器の中でも最も古い歴史を持つ。二里頭文化に出現した薄づくり・平底のものから、卵底の定型ができたのは殷の小屯期(紀元前1350〜1050)で、殷末周初において最も盛行し、西周中期ではおとろえ、東周時代にはもはや使われなくなってしまったらしい。
 また、「爵位」という言葉でもわかるとおり、爵は後代、身分制度と大きな関わりをもつ器ともなる。
 この爵は重量0.58kg、20.8cm×31.6cm×6cm。商代前期(二里岡期)の最も古い型式に属し、平底で扁平な器身を持つ。流は極端に細長く、付け根に一対の低い柱があって、柱頂は曲月形である。

推奨サイト
http://www.narahaku.go.jp/collection/d-1317-1-1.html
http://abc0120.net/words/abc2008012408.html
http://abc0120.net/wiki/doc-view-1198.html


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