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御物 金澤本万葉集 宮内庁三の丸尚蔵館

 『万葉集』は奈良時代に編集された最古の歌集で、仁徳天皇の詠歌より天平宝字3年(769)に至る長歌、短歌、旋頭歌など4500余首を収録し、20巻からなる。金沢本万葉集は早くから加賀の前田家に桂本万葉集とともに蔵せられた。その蔵書の地金沢にちなんで金沢本万葉集といわれているが、明治43年に天皇が同家に行幸なされた折献上されて今は御物となっている。
 金沢本万葉集は、『万葉集』巻第二の大半にあたる58枚、それに巻第四の97首分を20枚の料紙に書写した零本一帖から成る粘葉装の冊子本で、中国から舶載した唐紙に倣ってわが国で作られた、いわゆる和製唐紙を用いている。金沢本万葉集が早くから零巻であったことは、その箱に、「此万葉集者我祖考之蔵書也 以漢倭之字様書之 稀代之好書也 唯惜有脱巻 俟異日之捜索而已 宝永丁亥仲春望日 菅宰相(前田家の五代綱紀)」とあることからも明らかである。
表裏共に白か黄の具引唐紙(胡粉引して雲母摺した唐紙料紙)で然もほぼ全ての料紙が表と裏で異なる型文様を雲母刷りにした、實に美しい料紙である。
 筆者については古来、源俊頼といわれ、宝永年間に作られた箱の表にも俊頼筆万葉集とあり、『古筆名葉集』にも俊頼筆としてあるが、田中親美氏によって藤原定信の筆なりとされた。
佐佐木信綱氏の解説、小松茂美氏の『古筆』にも定信説を認めているが、まだ確定出来ないとする説もないではない。その書は、速筆で歯切れのよい筆致で、リズミカルで流動感に溢れている。料紙との調和を図りながら、 一字一字の字形にとらわれず、全体の流れと躍動する美しさを追求している。

 

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