基 本 点 画

・左払い

軽く入った例

 上から真っ直ぐに入ったり、軽く入った例です。筆を立てたまま弓なりに弾力をもってサラッと払われています。

強く打ち込んだ例

 「力」「人」は、相当強く打ち込まれています。そして充分に筆のバネを使って、かなり長く末端まで力を抜かずに書かれています。

もっとも短く払った例1

 「力」「人」の起筆をもっと極端にし、短く払った例です。

もっとも短く払った例2

 「後」は全ての異なった六本の線の払いで書かれています。旁の二番目の払いを強調してポイントとし、三番目の払いは細く鋭く、四番目は上を支えるようにゆったりと払っています。六本の払いは等間隔に配置されていながら、微妙な起筆の角度の変化と、線の強弱、カーブの違いによって、オーソドックスな内に変化し、しかもバランスを保っています。

・右払い

右払い


しんにょう

 九成宮醴泉銘の右払いは、ハライの部分は総体に短く書かれています。左上から筆を次第に太らせながら斜め真っ直ぐに引きます。そして払い出しは一度筆を止め、右に向かって構え直しててから三角形を作るつもりで払います。この動作を筆の流れを止めずに一気に行います。

・ハ ネ

右上へのハネ

 短い画ですが、跳ね出す瞬間まで力を抜かずに書かれています。

左ハネ

 長い縦画の収筆部分の左ハネの例です。小さく、三角形を作るつもりで、直角に跳ねています。

 戈の長い斜画は九成宮醴泉銘の特徴です。ハネは前項同様短く鋭く書かれています。

上へのハネ

 上へのハネは、跳ねる前まで徐々に筆をふくらませておき、筆先を左斜め上に向けた構えで、一字をすべて抱き込むように大きく重量感を持ってゆっくり跳ね出しています。