基本点画
ハネ
Aは浮鵞といい、縦画をやや湾曲させながら引いて、そこで、90°方向転換します。この時、左側にあった筆の表が方向転換後は上にきます。そして手首を使わずに跳ね上げます。
Bはで、三段階に分けて転換し、跳ね上げます。筆の表は常に上部にあります。
CはAの方向転換の角度をなくしたもので、左払いを書くときのように筆を下ろし、逆に右に筆を引き下ろします。この時、左側にあった表が中心部分で入れ替わり、後半部分では表が上にきます。
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転折
上図は横画にCを加えたものです。筆の表裏が中心部分で入れ替わることに注意してください。
転折とは、横画の終筆が、次の画の起筆となり、新たな線の始まりとなる書き方です。終筆が45°で終り、起筆が45°で始まるわけですから、角は必ず45°を保ちましょう。
下図は横画+縦画+ハネです。縦画はやや斜めに湾曲します。刀という字を書くつもりで練習してください。
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斜画(払い)
起筆45°で打ち込み、抜く、あるいは跳ね上げます。穂先が紙から離れる瞬間まで力が抜けないよう注意します。
とかく起筆の部分で力を入れ、すぐ跳ねてしまうことが多いようです。
特に長く引くほど、力が弱くなりますから、大きく腕を動かして、この画の末端が下方に垂れさがらないよう、気を付けましょう。
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結構法 (参考手本参照)
強勢
文字の右下隅にある点画は、文字のバランスを取るために重要で、言わば秤の分銅のような役目をします。こうした1字の中で、右下方に伸びる画は、他の画よりも強く長めに書いて、右下に強勢を置き、1字としての均衡を保ちます。
13. 「成」 … 将棋の駒形の文字
「成・武・式」などが該当します。文字の大体の外形をイメージして書くと、バランスが取れます。
斜画1
払いと波筆が重なる人・天・東などの文字は、垂直線との作る角度において、相対的に払いの方を立てて穏やかにし、字形が左前方に傾くようにします。
14. 「戈」 … 斜画と交差する横画の処理
左払いと波法によって結ばれる横画やホコガマエと交わる横画は、やや右上がりに書きます。また、横画が長くならぬよう、むしろ短めに書きます。
15. 「勿」 … 斜画ばかりの文字
「勿・多・乃」などは斜画によって、その文字が形成されています。それぞれの斜画の角度、長短に変化を求めます。また、中心が決めにくいので注意します。「多」の場合には上下の2点を中心線上に書くとバランスが取れます。
16. 「形」 … 啄筆の変化
「形・影・参」などは啄筆(小さいノ)の重なる文字です。この場合、その方向や筆勢を変えて変化を求めます。例えば「影」の最後のノを止めたり、「参」の3つの啄筆を"小"に作ったりといった工夫をします。
17. 「村」 … ハネを省く
「村・樹」など、ハネが二つある場合は、原則として偏のハネを省略します。また、「獨」のような場合には、偏を短く跳ね、旁の下のハネを長めに跳ねて変化を求めます。
空間の等分割2
点画で囲まれた空間がいくつかできる場合には、窮屈なところや間の抜けたところがないようにします。
18. 「鶴」 … 繁密な文字は肉細に
「鶴・霊・嚢」などのように点画が繁密な、画数の多い字は輪郭を大きく書き、点画を細目にしてアキを広く作ります。
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