文房四宝

 書道の用具・筆墨硯紙を、文房四宝とか文房四友などと呼んでいます。文房とは読書や執筆をする部屋、すなわち書斎をいいます。
 筆墨硯紙は、書を学ぶのに書かせない用具です。それだけに文人たちの趣味とも合わさり、容易に解説しきれません。
 そこで、初心者に最適なものに限って説明します。

  最も上達に関係する重要な用具です。筆の毛の部分を鋒(ほう)といい、製法によって固め筆・さばき筆、巻筆などに分けられます。
 初心者には、筆鋒(筆の穂先)の弾力に富む「純白兼毫の中鋒筆」(白い毛にやや茶色い毛の混ざったもので、毛の長さが中位なもの)のさばき筆が適当です。筆の太さは規格4号が適しています。
 なお、さぱき筆は毛の根元までおろしてください。そして墨を根元に充分に含ませてから、硯の縁で墨料を調整してください。

  できれば固形墨をお薦めします。墨独特の濃淡、ねばりの感触などがあり、微妙な表現を筆紙に伝えられます。最近は、ねり墨や墨汁が研究改良されていますが、本格的に書を学ぶ気合、書に接する心を育むためにも、固形墨を用いたいものです。
 墨には油煙(茶墨)と松煙(青墨)とがありますが、油煙の方をお薦めします。また、和墨(日本製)と唐墨(中国製)がありますが、墨の成分の膠が日本の気候に適している和墨の方をお薦めします。

  硯の使命は磨墨(墨を磨る)にあります。硯面はヤスリなわけですから、そのヤスリ(鋒鋩・ほうぼう)が微細でかつ強く均質で、軽く墨を磨るだけで見事な墨色を発揮できるものが最適です。
 しかし、硯は骨董品扱いをされる高価なものまであり、一概には決められません。その中であえて言えば、中国の硯の羅紋硯が安価であり、しかも上記の条件を備えているといえます。

  紙も作品の善し悪しに大きく影響します。いわゆるパルプ半紙(表面がツルツルな半紙)は避けてください。ある程度滲みがあるものが良いと思います。