新石器時代の概要

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早期(約1万年前)

 母系氏族共同体で、氷河期が終って地球が暖かくなり、人類は磨製石器を使うようになります。遺址は柳州大龍潭鯉魚嘴・英徳青塘凜洞穴・万年県仙人洞など、主に華南地区に分布しています。


中期(約B.C.7000〜B.C.5000)

 磨製石器が顕著に増加します。原始農耕と家畜の飼育(牧畜)が開始され、河沿いに集落を作り、農地近くに定住を始めます。土器が出現し、容器に用いたり、収穫した穀物などを煮たり、蒸したりしました。種類は単純ですが最も早い時期の彩陶と陰刻された符号も発見されました。


晩期(約B.C.5000〜B.C.2500)

 農業と家畜飼育がさらに発展し、人口が増加して集落規模も拡大します。祭祀儀礼を行う施設や、専業化された経済生産の中核が出現します。少量ですが小形の銅器も出現します。石器製作に精細さが加わり、土器は器種が多様化し、彩陶が普遍的に生産されます。 蓮の花びらをばらばらにして寄せ集めたような紋様の彩文が、山西省南部を中心に発達しました。流れるような曲線紋は、甘粛省を中心に発達しました。
 B.C.3000頃、大汶口文化の中・末期から龍山文化への過渡期には、氏族共同体の農業・牧畜・手工業が一層発展します。男子の仕事は次第に農業に変化し、生産面で大きな役割を果たすようになります。結果、男子が支配的地位を占め、父系氏族共同体へと移行します。父親の血縁関係で世系を数え、私有制が発展して階級が生まれ、原始社会が崩壊します。


銅・石併用時代(約B.C.2500〜B.C.2000)

 広義ではなお新石器時代晩期に属します。黄銅器の製作が普遍化し、小型の銅器がしだいに増加します。陶器製作に、回転の速いロクロが使用され、土器の多くは灰陶・黒陶で、密封された陶窯の使用が普遍化し、非常に質が高くなります。玉で作った器(玉器)のきわめて精美なものも製作されました。
 集落遺跡は密集し、家屋建築も各々特色をもった物へと多様化します。経済・文化の発達した地区に都市が出現し、社会の貧富の差がさらに拡大します。父系氏族共同体も末期を迎え、一般の氏族成員の上に立つ貴族・シャーマン階級が出現し、氏族制度が解体します。それに伴い、特殊な用途をもった儀礼用具と占卜器具の出現します。いくつかの玉器と土器に図形符号と陶文が出現し、すでに文明の曙が見られます。

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