太基山

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 太基山の「太」の字は、刻名では「太」字ですが、古くは「泰」も共通に使っており、今日の地図では「大」字を使っています。太基山は十数個の峯がなだらかな稜線を描く連峰です。道士谷と称される谷を中心に、西側に口を開いた山脈が取り囲んだ、独特の雰囲気を持った山です。谷の中心部に道観を築き、四囲の頂に仏壇を設け、鄭道昭がひたすら不老長生を願い、真人にならんと祈った地です。山中には十種程の鄭道昭の書と目される摩崖が残されています。中心に俗に「三角石」と称される三面刻、南北に「山門題字」、中腹に「登太基山詩」、北の頂に「玄霊宮題字」、東の頂に「青姻寺題字」、南の頂に「朱陽台題字」、西の頂に「白雲堂題字」と四神を意とした題字が配置されています。

「中明之壇題字」「青烟里題字」「歳在壬辰建題字」

 古くはもっと谷奥にあった三角石ですが、盗人が運び出す途中で道士に見つかり、ここに放置して逃げたと伝わっています。


碑亭

中明之壇題字

青烟里題字

歳在壬辰建題字


登太基山詩

 松林の急斜面に批把色の岩が見られることから、通称批把石と呼ばれています。その右半分に詩が刻されています。様式的には「論経書詩」に共通します。人一人立つのがやっとの足場しかありません。詩は石を横に寝かせた状態で刻し、後に起して立てたと想像されます。楷書13行、行19字の堂々たる刻石です。太基山中に土俗宗教道教に関する「仙壇」を置いた折の詩を刻したものです。


「雲居館山門題字」「石人題字」「仙壇銘告」


雲居館山門題字

石人題字

仙壇銘告

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