昭陵博物館 《概要》

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 昭陵は、地下に唐初時代の多くの財を眠らせている宝庫といえます。1964年、これらの陪葬墓のうち10基の大型墓を発掘し、墓碑40通余り、墓誌16合を得ました。
 そこで1972年、李勣墓の位置に<昭陵文物管理所>が設けられ、碑石陳列室2棟・出土文物陳列室1棟・唐墓壁画陳列室1棟の建築に着工し、1978年5月、<昭陵博物館(昭陵碑林)>が創設されました。
 その後1979年に外国人に開放されましたが、私はその前年の9月17日、第9次日本書道使節団員としてここを訪れました。館長の張鏡清先生が出迎えてくださいました。下の写真はその時のものですが、当時女性職員は3名しかいませんでした。

 昭陵博物館は、太宗の陵墓の名から命名された遺跡博物館です。出土文物陳列室には、>李勣墓から出土した三梁進徳冠、鄭仁泰墓から出土した彩絵釉陶俑群、李貞などの墓から出土した唐三彩俑をはじめ胡俑・楽俑・初唐の生産工具・貨幣・銅鏡など多くの出土文物が展示されています。


三梁進徳冠(太宗が近臣に賜った朝冠・『中国歴史』より)
 唐墓壁画陳列室には出土した多くの墓葬壁画の複製が展示されています。特に、阿史那忠墓壁画は見事です。この壁画は、乾陵の永泰公主墓壁画や章懐太子・懿徳太子墓壁画に比べると隋代の墓壁画に近く、画風から見て、製作時期が早いとされています。
 また、これらの陪葬墓や副葬品の中に異民族の功臣や人相・衣裳・器物が見られ注目されます。唐代は墓前に碑を立てることが盛んに行われました。それらの碑石は風雨にさらされ剥蝕したり、埋没したりしました。これらを収集し保護するため碑石陳列室が設けられました。

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