祖平叔墓誌・蓋

 祖士衡は、あざなを平叔といい、上蔡の人です。博学にして文辞あり、進士に挙げられて、官は史官修撰に至りました。『宋史』に伝が載っていますが、仕歴は墓誌に詳しく記載されています。
 墓誌の撰文は姪の祖無擇で、『宋史』に伝が載っていますが、官は光禄卿・秘書監・集賢院学士に至りました。
 書者の邵雍は、あざなを堯夫といい、伊川の人です。当時より書名は高く、その諡の康節先生をもって知られています。著書には『伊川撃壌集』その他が伝わっています。
 祖士衡も、誌文によれば50巻ほどの著があるとありますから、その方面の交遊があったと思われます。
 墓誌の書は顔法に基づく、格調正しいもので、蓋の篆書とともに学人の面目を伝えるものです。