張士則墓誌・蓋

 張去奢(キョシャ)は、あざなは士則、范陽方城(河北省)の人です。垂挟4年(688)に生まれ、天宝8年(747)に亡くなりました。彼の母の竇氏は、玄宗の生母と姉妹の間柄です。そのため、玄宗が即位すると、彼の兄弟は格別に引き立てられました。
 撰文は韋術で、玄宗のころの歴史家です。書者の斐冕(ハイベン)は、河中河東の人です。墓誌の書は、楷書の中に行意が随所に混じっています。やや偏平な字形もありますが、全体的には竪長で、穏やかな趣です。