元璨墓誌

 元璨は、あざなを孟暉といい、洛陽都郷敷義里の人です。祖父は、恭帝景穆帝の子の陽平幽王新成です。父は、その子の廣陵康侯衍です。
 正光5年4月29日、43歳で亡くなり、使持節・左将軍・斉州刺史を贈られました。
 墓誌の書は、筆先を利かせた北魏独特の鋭い筆致です。とはいえ、一部に乱れが見られます。とくに、無理に向勢に作った結体に不自然さを感じます。あるいは装飾的な要素が加わったのか、全く別人のような字が、ところどころに見られます。