墓誌・蓋

 元は、あざなを珎平といい、恭宗景穆帝の孫にあたります。景穆帝の子で侍中太伝大司馬黄鉞大将軍の安定靖王休の第五男です。安定王變や東莱王貴平の弟にあたります。
 元の官職については、墓誌の蓋に「豫州刺史」とのみあります。墓誌に見られる友軍将軍・司徒などの役職は亡くなって後に追贈されたものと思われます。
 元は、孝昌2年(526)7月28日、33歳で亡くなり、その年の10月に埋葬されました。
 墓誌ならびに蓋の楷書は、北魏の遺風は感じますが、随所に向勢が見られ、虞世南の原形を感じます。