元誘妻馮氏墓誌

 元誘夫人馮氏は、冀州長樂信都県の人です。太宰燕宣王の孫にあたり、太師武懿公の娘です。
 元誘は、吏部尚書常山侯の第3男で、官は司徒参軍事に至りました。馮氏は、景明3年(502)11月28日に、18歳の若さで亡くなり、翌年の8月、埋葬されました。
 この墓誌の書は、北魏の早期にしては一種異なった趣があります。北朝風の書をべースにしてはいますが、何処となく穏やかなゆったりしたムードがあります。あるいは北朝に帰化した南朝人の書のようにも思われます。