元洛神墓誌

 元洛神は、河南邑の人で、元寿安の娘です。14歳で穆彦に嫁しました。父の寿安は、恭宗景穆帝の曽孫で、景穆帝の子の汝陰王天賜の第5子です。
 穆彦は、司徒左長史桑乾太守の穆仁の長男で、伏波将軍尚書北主客郎中大司農丞を勤めました。
 元洛神は、武泰元年(528)4月18日、23歳で亡くなりました。この墓誌は元氏一族の墓誌によくみられる書風で、この時代としては端正なものですが、やや重苦しさも感じます。多分に南朝の影響を受け、両朝が混ざり合う、隋への過度期の楷書といえます。