吐谷渾璣墓誌

 誌文によれば、吐谷渾璣は、あざなを龍寳といい、河南洛陽の人です。吐谷渾国主柴の曽孫で、使持節・平南将軍・洛州刺史・汶山公の長男です。
 吐谷渾璣は父の爵位を世襲し、宣武皇帝より奉車都尉を授かりました。煕平元年(516)6月20日、京師おいて37歳で亡くなりました。
 書は北朝風の力強い筆致です。後からのものか、升目に線が引かれていますが、中心の曲がっている文字が多く見られます。また、行書的な省略も見られます。全体的には肉太で、重厚な力感に富んでいます。