元澄妃李氏墓誌

 景明2年(501)9月3日に長安で亡くなった、元澄妃李氏の墓誌です。元澄は、高宗文成帝の弟拓跋雲の子で、あざなを道鏡といい、景穆帝の孫にあたります。任城王を襲封し、蠕蠕および氐羌を討った功績で、尚書令を授かりました。その後、孝文帝の洛陽遷都に賛成しました。
 宣武帝のとき、壽春の戦いに敗れ、太子太保を退きました。孝明帝のとき、許されて侍中となり、官は司徒に至りました。卒して文宣と諡されました。
 撰文は臣下の敢楊明があたり、同じく臣下の茹仲敬が造営したとあります。書は《龍門造像》を思わせる北朝書で、力強い品格の高いものです。