花甲重周筆寿字

 馬徳昭は、あざなは子明といい、閬中(四川省錦陽県)の人で、多くの作品が碑林に収蔵されています。
 この碑の書は、99と21を組み合わせて、寿字の形を形成しています。99とは、100から1を引いた数で、88(八十八)を「米寿」というように、「百」から横棒の一をとった「白」で表され、「白寿」といって祝われています。また、一般に60歳になると還暦といいますが、これは10干12支を組み合わせて作られた60干支が、生まれ年の干支にもどることからこう呼ばれています。
 この碑に書かれた99と21は、加えると120となります、120とは60の2倍、すなわち還暦(花甲)の2倍(重周)となります。このことから「花甲重周」と呼ばれます。