慎刑箴

 慎刑とは刑罰を軽々しくせず慎むことで、箴(シン)とは戒めという意味です。清代には、慎刑司という官署がありました。慎刑司は内務府に属し、太監(内務諸監の長官)の犯罪の処断、三旗の獄をはかる任務だったといいます。
 撰者の晁迥(チョウケイ)は、先聖古道の教えを、中国最古の経典である『書経』や、周末から秦漢時代の諸儒者の古礼に関する説を集めた『礼記』、さらには『漢書』や史書の中から「魯荘公曰」のように引用して、慎刑の規範を勧めました。そしてさらに加えて慎刑箴を作って慎刑の助けにしています。
 碑は、1行44字の21行からなり、本文の1字はだいたい縦が1.5〜2.5p、横が1.5〜2.2pです。進士盧経の楷書は謹厳でしかも伸びやかな感じを受けます。