福禄寿三星図

 この図には、子供を抱いた7福神の一神である福禄寿が描かれ、子孫満堂を意味しています。
 福禄寿は、『張果』『星宗』『官禄主論』に記載があり、幸福と物的な恵みと寿命の三徳をそなえている神で、背が低く、頭が長くて、ひげが多く、経巻をむすびつけた杖(ツエ)を持ち、鶴をつれています。
 一説に宋の嘉祐年間(1056〜1063)の道士で、南極星の化身とも言われ、『天中記』『讕言長語』に記載があります。
 この図では、全員がのぞき込む軸に、道教を意味するシンボルマークが描かれています。どうやら封建社会における人生観が反映しているようです。精細な刻で、精緻な人物画です。