草訣歌

 朱敬は、あざなを迸父といい、明の萬暦年間(1573〜1620)に活躍した役人で、著書に『梅雪軒詩稿』があります。
 この碑は草書ですが、その用筆には行書の筆意が見られます。方にして円、円にして方、その結体は自然で優れています。一般に、世に伝わる王羲之の《草訣歌》は偽作がほとんどです。しかし、朱敬の《草訣歌》は筆力があり、良く王羲之の風韻を伝えています。