肚痛帖

 この帖は、古くから《断狂草千字文》とともに張旭の書と伝えられています。しかし王弇州などは高閑の書だといい、異説もあります。
 内容は手紙文で、「にわかに腹が痛くて堪えきれず、冷熱が原因であるのかどうか、わからない。大黄湯を服したところ、冷熱とともに効きめのあったのは、いかなる計らいであったのか。もう床に臨むことはない。」と書かれています。
 その書は、1字と1字との字間を極端につめ、縦の流れに左右に回転する遠心力が加わり、《断狂草千字文》とは趣を異にしています。