郭氏家廟碑

 この碑は、汾陽王郭子儀が広徳2年(764)に父親の郭敬之の家廟を建てたとき、一緒に建てられました。正しくは《贈太保敬之家廟碑》とも《郭敬之廟碑》ともいいます。郭子儀は、安史の乱平定の勲功第一にかぞえられる人物です。
 碑はかなり磨触がすすんでおり、明拓ではかなりはっきりしているところも近拓では判読できなくなっています。碑文は顔真卿が56歳の時撰文し、かつ書したものです。
 書風はすでに「顔体」が完成し、筆法が枯れて力がこもっており、重厚な中にさわやかさを宿しています。