述聖頌碑

 《述聖頌碑》も、後ろ向きに展示されています。この碑は、建立の年月日が碑側に刻されています。これは隋以前には見られなかった形式です。
 筆者の呂向は、あざなを子回といい、『唐書』(巻202 列伝127)にその伝が載っています。彼の書は、褚遂良を手本としたといわれます。確かに、端正でおおらかな印象を与え、文字の大きさに対し、細い線で縦横画に太細の変化が少なく、運筆は静かで途中でゆるみを見せず、充実した力を感じさせます。が、一部に《高貞碑》あるいは《道因法師碑》を思わせる結体も見られ、横画の起筆も方筆で強く、左払いも穂先がよく利いています。
 碑陰には、上方に韓択木の《告嶽神文》、下方に盧朝徹の《謁嶽廟文》(唐 大歴9年 774年) ・貞元9年の《題名》、左旁に《祈雨記》、右旁にも《題名》が刻されています。